5月13日 18時30分頃 小池都知事 ライブ配信 文字起こし

小池都知事:こちらは新宿、東京都庁。都知事の小池です。ほぼ毎日18時30分から、新型コロナウイルスに関します、東京都の最新情報を、ライブでお届けをいたしております。今日も五月晴れでした。でも、緊急事態宣言は今月末まで延長になっております。1日も早く、平穏な日常を取り戻すためにも、東京都民の皆さんとともに、この感染拡大、ストップして参りましょう。今日の状況を、お知らせをいたします。18時の時点で、新たな陽性者数、10人にとどまりました。えー、これも皆様方、ステイホーム、これを守っていただいたおかげと言えると思います。うち濃厚接触者数が6人、え、海外渡航歴のある方はいらっしゃいませんでした。ということで、調査中の方は4人にとどまっております。えー、これまでの陽性者数を足し上げますと、もう後3人で5,000人になってしまいます。4,997人。

そして、現在の入院者の数ですが、えー、まず、1,320人になります。そのうち宿泊療養者の方が117人、ホテルですね。自宅で療養されておられる方、318人ということになります。一方で退院された方々の累計が3,039人。3,000人を超えました。えー、5,000人近く陽性、そして一方で退院されてる方が3,000人を超えたということであります。で、本日お亡くなりになった、報告を受けている死亡、の、死亡報告を受けてるのが7人であります。死亡者でありますけれども、203人。お亡くなりになられた方々、ご冥福を心からお祈り申し上げます。そして今日はですね、本当にびっくりしました。えー、28歳の若き力士ですね。高田川部屋の勝武士さんが、コロナウイルス性肺炎、多臓器不全のために28歳という若さでお亡くなりになったということであります。感染された方で、東京において20代で亡くなられたのは、この方初めてとなります。コロナウイルスというのは、本当に世代に関係なく、何歳であろうが、命を奪うという、恐ろしい病気だということを教えてくれます。勝武士さんのご冥福をお祈りを申し上げまして、心からお悔やみ申し上げます。


さて、この陽性者の7日間平均、毎日ご覧頂いておりますが、折れ線グラフでググググっと下に、こう下がって右肩下がり、になっております。5月13日現在の、直近の7日間平均は24.7人まで下がりました。それから、陽性率の傾向をご覧いただきますと、7日間の移動平均を用いまして、火曜日の陽性率で区切りますと、5.0%となります。で、月曜日の陽性率が5.3%でしたので、0.3ポイント減となります。本当に皆様のご努力がこうやって実っていると同時にですね、いま緩めてしまうと2週間後に、また元に戻ってしまう。そんなことないように頑張っていきましょう。

それからこのコロナウイルスの分析の、別の方法、この後色々とお話がございますけれども、えー、例の、いわゆる抗体検査とか、抗原検査、これについては、後にお話がありますが、全然全く別の方法があります。下水を活用するんですね。下水を活用した、新型コロナウイルスの分析に向けた対応、これがですね、下水中の新型コロナウイルスの量を把握することによって、ウイルスの感染拡大の兆候を予知できる可能性があるというんですね。東京都において、この、水再生センターの下水を採取しまして、それを、冷凍保存することといたします。で、採集したその資料をもとにしまして、感染拡大の兆候を把握するなど、そういった研究ができる。日本水環境学会と連携して、進めてまいります。分析手法を確立できますと、これによって、陽性者数であるとか、病床の利用者数などの指標に加えて、ウイルスの蔓延状況を知る手がかりとして、活用できる、そんな可能性も広がって参ります。正しく知り、正しく恐れる。そのために、下水の中のウィルスの分析、その研究を、東京都は進めてまいります。

さてゴールデンウィークが明けまして、都民の皆様方のご協力もあって、陽性者が少なくなってはきておりますが、ただ、まだまだ気を抜くことはできません。今日は医療の現場からのお声を伺いたいと思います。日本赤十字社医療センターの、救命救急センター長でいらっしゃいます、林宗博先生、どうぞよろしくお願いを申し上げます。新型コロナの患者さんを、多数受け入れていただいてるわけでありますけど、現在の受け入れ状況はいかがでしょうか。

林氏:はい、私ども、コロナの最初は、クルーズ船の、対応から始まっております。で、緊急事態宣言発令前から、病院全体として、救急医療と、新型コロナ感染症診療に重点を置いた体制をとっております。現在も、2つの病棟と、私どもの救命センター内の、救急の集中治療室を、コロナ感染症対応のベッドとして、中等症30床、それから重症は8床、という形で対応しております。で先月中、これらの病棟が、ほぼ満床に近い時期もありましたけれども、現在は、感染者数が減ってることもありまして、確保している病床には余裕が出てきております。現在の病床の利用率といきますと、だいたい一般の病床の全体で、50%前後。で、重症の患者さんも、4月の下旬一番厳しい時期もありましたけれども、今はだいたい30%程度の稼働になっていると、落ち着いております。

小池都知事:なるほど。それでも、あの、ね、4月下旬までは厳しかった。具体的には、もう戦場のような状態だったんでしょうか。ま、戦場ってそうそう経験することは実際ないんですが。

林氏:あの、テレビでもアメリカとかイタリアの、いろんな画像があった思いますけど、ま、あそこまではいきませんけれども、やはり重症の患者さん診る時に、何が重要かと言うと、その診療に携わる医療者の安全を確保しながら、確実に重症な患者さんを診るということが、求められます。それは、テレビで映ったような、感染防護服を身にまとって、残念ながらあの格好が、安全ではありますけれども、不自由感がありますので、そんな形のまま、医療者といえども、かなりの負担を背負って、従事しなければならないというのは、結構きつかったかもしれません。

で、あの、もう一つ、新型コロナウイルス感染症の特徴だと思いますけれども、昨日ゲストでいらした患者さんであった方のお話の中で、3週間入院したというふうにありましたけれども、やはり全体的にあの、治療にかかる期間が長いんですね。そうすると、重症で、人工呼吸器がついたり、体外循環装置がついてる時間が長くなりますので、過去の色んな感染症とか、呼吸不全の患者さんの診療に比べると、一人の経過が長いというのが、かなりその、改善がなかなか見にくいという点で、治療が停滞するように見えて、それがやはり、精神的に、診療している者にとっても、負担になるというのはあると思います。

小池都知事:なるほど。でもあの、中等症から突然重症に変わると聞くんですけども、その確率は高いんですか。

林氏:そうですね、あの、かなりすごいスピードで、数時間の単位で重症化する方いらっしゃいますので、その前までは、酸素も必要でないくらいだったのが、突然苦しいと言い出すと、酸素量が瞬く間に増えて、すぐに人工呼吸管理という方いらっしゃると、人工呼吸器をつければ安全というわけではなくて、その後もかなり悪くなりますので、そこを堪えていくというのが、結構診てる方としても大変な所だと思います。

小池都知事:なるほど。今日も、あの、ありがたいことにですね、感染者数は10人という、ま、もうちょっとで一桁というところにまでは来たんですけども、今は、あの、病院の方はその意味では一段落しつつあるというところですか。とんでもない話ですか。

林氏:そうですね、はい、あの、かなり、やはりステイホームとか自粛の効果は出ているんだと思います。そのお陰で我々も診療に余裕ができて、これからまた、ま、無い方がいいですけれど、これからまた再燃した時に、今までの経験を踏まえて、長期的な対応を取るための、準備を進めています。また、あの、コロナ感染症の診療も大事なんですけども、通常の救急医療を継続していくのも我々の仕事ですので、病院をしっかりと続けられるような体制づくりを今、しているところです。

小池都知事:なるほど。まあ、あの、今はだいぶ落ち着きを取り戻したっていうか、落ち着いてきた状況ですけども、だからこそ、あの、まあ、来てほしくない、絶対に来させない、第2波に備えていくというのも必要だと思うんですけれども、今、何を備えなければならないとお考えでしょうか 。

林氏:はい、今はですね、ま、あのー、確かに、一般の皆さんも、我々も仕事はしてますけど、やはり、外出がなかなかできないですとか、不自由感あはると思います。ただ、その効果は確実に出ています。というのも、今日の感染者が10人という結果だと思いますので、あるいは、重症患者も、2、3週間前に200人とか感染者がいる時にも、このあと引き続いてくるんだろうと思っていたものが、こうやって来ないで越えられているのは、たぶん、今の体制のおかげだと思います。ですので、まだもう少し、この体制を続けていただいて、もう少し平穏な時期が来るのを、期待したいと思っております。

小池都知事:はい、ありがとうございます。本当に、あの、医療従事者の皆様方が命がけで、こうやって戦ってくださっていると、いうことの成果が、いま表れてると思いますが、一方で今、ここで気を抜くとですね、元に戻ってしまう恐れもあるということで、先生、最後にその、都民へのメッセージをお願いしたいと思います。

林氏:はい、ありがとうございます。緊急事態宣言の中、ステイホームとか自粛によって、不自由感ございますが、この体制を続けることで、確実に成果が出ていると、我々も実感しています。今後もこの体制の中、引き続き、感染者の減少すること、またそれにご協力いただいて、いずれやってくる、平穏な生活が戻りますことを願っていますので、皆さんもどうぞよろしくお願いいたしますという、こんな形で送らせていただきたいと思います。

小池都知事:ありがとうございます。あの救急センターの、皆様方にも、ありがとうございます。と、都民を代表して、御礼申し上げたいと思います。まだまだ厳しい状況も続くかと思います。どうぞ皆さんも、お身体お気を付けになって、そして、これからも都民の命を、健康を守ってくださいますよう、宜しくお願いを申し上げます。ありがとうございました。 え、ということで、今日はですね、林先生に現場からのお声を伺わせていただきました。

さて、今日はですね、あの、私自身も、あの、医療の現場の方に参って、行って参りました。多摩地域の3つの施設を見て参りました。多摩府中保健所、そして、府中療育センター、それから多摩総合医療センター、この3箇所ですね、視察、また激励をして参ったところであります。で、実際に現場に出向いて、この感染症に日夜対応している状況などを視察をして、受診相談窓口の電話対応しておられる保健師さん、それから最前線の職員とも、意見交換を、行わせて頂いたところで、こちら写真の方で、になっております。本当にあの、医療従事者の皆さんによって、今この戦い、東京都で厳しい戦いですけども、何とか切り抜けられるように、これからも頑張っていきたいと思います。

さて話変わりましてですね、先月27日から、開設いたしました、守ろう東京新型コロナ対策医療支援寄附金でございますけども、5月12日の時点で、1,319件、お寄せいただきまして、金額にいたしますと約1億7000万円の寄附金が寄せられております。で、これまで多くの方々から、ご寄附をいただきまして、本当にありがとうございます。またあの、この度、最前線でウイルスと戦っておられる医療現場の支援ということで、ももいろクローバーZの皆さんからも、いわゆるももクロさんですね、合計500万円のご寄附いただけることとなりました。温かいご支援に対しまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。


で、お預かりしました寄附金、最前線の医療現場のための物資の購入などに活用させていただく予定となっております。命の危険にさらされながら、治療にあたられている、医療従事者の皆さんと、心をひとつにして、この難局を乗り越えて参りましょう。引き続きご協力のほどよろしくお願いします。振込先はこちらになっております。ありがとうございます。さて、明日は、国の専門家会議が開かれる予定であります。都といたしましても、引き続き国の動向、注視してまいりたいと思います。また、このウイルスとの戦いは、まだまだ、長い道のりと考えています。これからの3週間、特に、一層の、重要な時期、と考えておりますので、引き続きのご協力、よろしくお願いを申し上げます。本日もご視聴ありがとうございました。

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